必死の第一発見者
昨日の夜9時半くらいだったかな。
2階にある私の部屋に聞こえてくる水の流れる音。
3時間ほど前から気にはなっていたんだけどね。
1階の電気も点いてないから真っ暗だし。
今、私が住んでいるのはベトナム郊外の一軒家。
移住してきた頃に偶然知り合った、ロイの妹さんの家。
妹さんは、ご主人の祖国のオーストラリアに住んでる。
現在は、ロイのお母さんと一緒に住んでる状態。
普段の私は、ずっと部屋にいるから、実際に顔を合わすことは少ないんだけどね。
今日は、お母さんどこかに出かけているのかな?
なんて思いながら1階に、確かに水が出しっ放し。
キッチン脇にある水道のようで、のぞいて見たら・・
そこに、倒れているお母さんの姿。
慌てて近づいて名前を読んでも、全く反応がない。
急いで部屋に運ぼうとしたけど、重くて動かせない。
日本なら、迷わず救急車なんだけど、ベトナムじゃ。
とにかくロイに電話して、必死で心臓マッサージ。
10回して脈確認の繰り返し、でも呼吸も戻ってこない。
40分ほどしてロイが到着。
電話では、まともに説明できなったから、ロイも蒼白になってる。
二人で、お部屋に移動させて、ご家族の皆さんに連絡。
その時、思ったのは、まさかコロナ?
なら、私も完全に感染してるよね。
でも、昨日の朝まではお元気だったし、それはないか。
ベトナムは感染者異常に少ないし、死者も0人。
更には、こんな郊外には、感染者が来る事もないしね。
それにしても、もっと早く見に行ったなら、助けられたかもしれない。
最初に、水道に気づいた時に、1階に下りたら死なずにすんだかも。
これって、結構後悔が残るなぁ。
今は、葬儀屋のセッティングも終わって、お葬式の最中。
ベトナムのお葬式、日本とは全く違うんだよ。
だいたいが、ご自宅で行い、道路にテントを設営。
テーブルやイスに食べ物などを準備。
その後、ご親族やお友達が訪れて、話の花が咲く。
皆さん、悲しい顔ではなく、笑顔で賑やか。
歌って騒いで、賑やかに騒いで送り出す。
今日の夕方には、カラオケセットも準備完了。
もちろん、道路上なので、ただうるさいだけなんだけど。
このカラオケ大会は、夜中まで続くんだよ。
日本なら、近所迷惑この上なしで、即撤去だろうね。
こちらでは、文句を言う人はいない。
だいたい、3日間続いて出棺かな。
親族じゃない私は、お手伝いをできることだけして、
後はお部屋。
昨日は、まともに寝れなかったから、コロンの早朝散歩した後で、朝食も取らずにお昼まで寝てた。
明日、お参りをして欲しいって行ってきたから、早めに出棺するのかな。
ところで、ベトナムはいまでも80%ほどが土葬だとか。
お母さんはどうするのかな。
まずは、お寺に行って、それから墓地か火葬場に行くんだろうなぁ。
それにしても、突然のことで、精神的にも疲れたぁ。
お母さん、安らかに眠ってくださいね。